起风了 | 冬-1 NJ:初声日语教学部@柠檬
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发布于:2019-07-16 15:43

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初声日语教学部&初声日语电台联合制作——全书朗读《起风了(風立ちぬ)》

風立ちぬ-19

朗读:初声教学部 柠檬

安娜作者:堀辰雄

音审校对:教学部茉莉&电台Seki

后期制作:小樱

冬 一九三五年十月二十日

午後、いつものように病人を残して、私はサナトリウムを離れると、収穫に忙しい農夫等の立ち働いている田畑の間を抜けながら、雑木林を越えて、その山の窪みにある人けの絶えた狭い村に下りた後、小さな谿流(けいりゅう)にかかった吊橋を渡って、その村の対岸にある栗の木の多い低い山へ攀(よ)じのぼり、その上方の斜面に腰を下ろした。そこで私は何時間も、明るい、静かな気分で、これから手を着けようとしている物語の構想に耽(ふけ)っていた。ときおり私の足もとの方で、思い出したように、子供等が栗の木をゆすぶって一どきに栗の実を落す、その谿(たに)じゅうに響きわたるような大きな音に愕(おどろ)かされながら……
 そういう自分のまわりに見聞きされるすべてのものが、私達の生の果実もすでに熟していることを告げ、そしてそれを早く取り入れるようにと自分を促しでもしているかのように感ずるのが、私は好きであった。
 ようやく日が傾いて、早くもその谿の村が向うの雑木山の影の中にすっかりはいってしまうのを認めると、私は徐(しず)かに立ち上って、山を下り、再び吊橋をわたって、あちらこちらに水車がごとごとと音を立てながら絶えず廻っている狭い村の中を何んということはなしに一まわりした後、八ヶ岳の山麓(さんろく)一帯に拡がっている落葉松林(からまつばやし)の縁(へり)を、もうそろそろ病人がもじもじしながら自分の帰りを待っているだろうと考えながら、心もち足を早めてサナトリウムに戻るのだった。

(因中文译文版已有出版作品,故本节目不备注中文翻译)