起风了 | 冬-14 NJ:初声日语教学部@魔王
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发布于:2019-08-06 23:29

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初声日语教学部&初声日语电台联合制作——全书朗读《起风了(風立ちぬ)》

朗读:初声教学部 魔王

作者:堀辰雄

音审校对:教学部茉莉&电台Seki

后期制作:小樱

「お前、家へ帰りたいのだろう?」私はついと心に浮んだ最初の言葉を思わずも口に出した。

 そのあとですぐ私は不安そうに節子の目を求めた。彼女は殆どすげないような目つきで私を見つめ返していたが、急にその目を反らせながら、

「ええ、なんだか帰りたくなっちゃったわ」と聞えるか聞えない位な、かすれた声で言った。

 私は脣(くちびる)を噛んだまま、目立たないようにベッドの側を離れて、窓ぎわの方へ歩み寄った。

 私の背後で彼女が少し顫声(ふるえごえ)で言った。「御免なさいね。……だけど、いま一寸の間だけだわ。……こんな気持、じきに直るわ……」

 私は窓のところに両手を組んだまま、言葉もなく立っていた。山々の麓(ふもと)にはもう暗(やみ)が塊まっていた。しかし山頂にはまだ幽(かす)かに光が漂っていた。突然咽をしめつけられるような恐怖が私を襲ってきた。私はいきなり病人の方をふり向いた。彼女は両手で顔を押さえていた。急に何もかもが自分達から失われて行ってしまいそうな、不安な気持で一ぱいになりながら、私はベッドに駈けよって、その手を彼女の顔から無理に除けた。彼女は私に抗(あらが)おうとしなかった。

 高いほどな額、もう静かな光さえ見せている目、引きしまった口もと、――何一ついつもと少しも変っていず、いつもよりかもっともっと犯し難いように私には思われた。……そうして私は何んでもないのにそんなに怯(おび)え切っている私自身を反って子供のように感ぜずにはいられなかった。私はそれから急に力が抜けてしまったようになって、がっくりと膝を突いて、ベッドの縁に顔を埋めた。そうしてそのままいつまでもぴったりとそれに顔を押しつけていた。病人の手が私の髪の毛を軽く撫でているのを感じ出しながら……

 部屋の中までもう薄暗くなっていた。

(因中文译文版已有出版作品,故本节目不备注中文翻译)