日语朗读会|四月になれば彼女は第4期-3
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发布于:2019-11-07 21:27

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翻译:朗读会干事@ノゾミオ

以下日文为部分内容,参与朗读会活动即可看到全部文档及译文。


 恋は風邪と似ている。恋をするたびに藤代は思う。

 いつのまにか、それははじまっている。風邪のウイルスが知らぬ間に体を冒し、気づいたときには発熱しているように。だがハルとは違った。彼女と恋に落ちた瞬間を、藤代ははっきりと覚えている。あれほど心が動く瞬間は、これからどんなに長く生きていくとしても、もう二度とないように思えた。

 藤代はハルにとって、はじめての恋人となった。

 その日から彼女は大好きなコーヒーが飲めなくなった。ぱたりと、突然飲めなくなった。見た目も、味も、すべて受け付けなくなってしまった。



「誰かを好きになると、好きなものをひとつ失うんですか?」

 大学の裏手にある古い喫茶店で、やむなく頼んだミルクティを飲みながらハルは訊ねる。落ち着いた内装の喫茶店には、不似合いなグラムロックが鳴っている。

「まさか」

 笑いながら、藤代は遠慮なくコーヒーを飲む。鮮やかな紺色をしたコーヒーカップ。デンマーク製のアンティークだと店主に教えてもらった。

「人と話すことができる黒猫が、メス猫に恋をしたときから言葉をしゃべれなくなるというシーンがありましたよね? 昔の映画で」

「あったね。アニメ映画だ」

「小さい頃観て、ものすごくショックを受けたんです」

「でも、好きになれるものの総量があらかじめ決まっている人は、無限に好きなものが増えていく人より幸せかもしれない」