霊魂が現世に戻るとされている、夏――。里帰りを果たした貴方の耳の奥に、今年も暗く、不気味な鈴の音が響く。それは夢うつつに見た幻であろうか。祠に現れたは、不気味な笑い声で貴方を蠱惑する、装束姿の美しい兄弟……。彷徨う彼ら二つの魂が求めるもの。それは貴方……。八枚の札を巡り、貴方は繰り返す。禁じられた遊びを。小さな死を味わう儀式を。そして兄弟も知っている。貴方の魂が切望するは最高の恐怖と最高の快楽をもって美しき兄弟に自身の全てを奪われることだと――。